日本生殖医学会学術講演会に参加しました

2019年11月10日 | 不妊 |  コメント (0)

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生殖補助医療
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みなさん、こんにちは。
米国クリニックでの生殖医療、精子提供、卵子提供、代理出産のエージェンシーをしております、ミラクルベビー日本窓口の中村です。
去る11月7日・8日に行われた日本生殖医学会学術講演会(以下学会)に参加して参りました。テーマは「世界に発信する個別化生殖医療」。
この講演会には少なくとも1日目の時点で2000人を超える方々がいらしたようです。

 

この画像、気になりませんか?多分、いや、間違えなく精子と卵子ですよね?
正直、この業界にどっぷり浸かってしまっているので、ちょっと麻痺しているのか、このイラストの第一印象は『素敵!!!』でした。

 

皆様はどんな印象を受けましたか?

 

日本の生殖医療従事者がどんなことを研究し、発表しているのか、皆さんは気になりませんか?
医師のレベルには到底及びませんが、今回、私が講演で聞いた情報をわずかですがレポします。
どうして「わずか」なのかというと、学会は会長講演、基調講演、教育講演、シンポジウム、セッション、セミナー、発表演題が254件、ポスター掲示が327件など多くのプログラムから構成されています。
この学会員になると事前に講演会資料が送付されるので、ある程度演題を確認して、自分が知りたい会場に目星をつけておきます。

生殖補助医療 ミラクルベビー
参加する会場を間違いないように、チェックします。

生殖補助医療 ミラクルベビー
ホームページからもプログラムが確認できるようになっていますが、アナログ好きなため、私は学会雑誌を使用しました。
私が今回の学会で特に知りたかった内容は、PGT-A(着床前染色体異数性検査:以下PGT-A)、生殖医療の法整備、多様化する家族についての動向です。
また、先月、米国医療機関・研究機関の見学と、採卵予定のクライアントさんの治療の同行をしたこともあり、米国と日本の診療内容、方針の相違などを学びたいと思いました。

 

PGT-A(着床前染色体異数性検査:以下PGT-A)

・「PGT-Aを始める前に知っておきたい遺伝学の基礎知識」京野廣一先生
・「PGT-A技術の進化」
Igenomix-PGS Research Sr Director in Research & Development,Spain
Carmen Rubio Lluesa
・「PGT-A : Technologies, Controversies and Global Impact」
PerkinElmer Health Sciences,Australia
Gary Harton

 

京野先生からは、日本におけるPGT-Aのパイロットスタディ調査結果によると、流産率は約11%、妊娠率は50%程度。調査施設数が少なかったこともあるようですが、施設によって、妊娠率・流産率に差が見られ、診療レベルの質が問われるとの報告でした。

 

Dr.Gary HartonはPGT-A時にする胚(受精卵)の細胞採取技術が重要だと話していました。

 

Dr. Carmen Rubio Lluesaは今後のPGT-Aの技術進化としてniPGT-Aが期待できると話していました。このniPGT-Aは培養液から検査するものです。実用化までにはもう少し時間がかかるようですが、胚に触れることなく検査が可能になる技術です。

 

私は先月、米国医療機関に出向き、PGT-Aの検査に携わる研究者に話を伺いました。細胞採取時の胚ダメージについて問うと「私たちはそれらの問題をクリアできている」と即答されました。
米国はPGT-Aの研究が始まった約30年前から検査の規制がなかったこともあり、検査研究を進めることができたということなのでしょうか??

 

生殖医療の法整備

1990年後半、会告に反して提供卵子による体外受精児の出生、非配偶者人工授精(AID)で生まれた子の父が誰であるかをめぐる裁判をきっかけに、2003年4月に「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書」が取りまとめられたものの、立法化はに至っておらず、早くも15年以上経過しています。
厚労省のホームページ

 

「生殖医療と法整備」というテーマのシンポジウムで、横浜市立大学大学院医学研究科産婦人科学講座の倉澤先生は、上記の法案が通過すると数年以内に卵子・精子などの取り扱いについて決める必要があり、混乱が予想される。今からある程度のことを予測して、備える必要がある。例えば、精子や卵子バンクが設立されるのか、だとしたら誰が設立するのか、マッチング機関を誰が管理運営するのかなど…

 

精子バンクを一から作ると、機能するまで数十年かかると予想される。(週刊朝日2019年9月16日号より)日本の生殖医療、今後はどのように変わっていくのでしょうか。

 

様々な家族のかたち

非配偶者間人工授精(以下AID(DI))を長年実施されてきた慶応義塾大学医学部産婦人科の浜谷先生の講演内容をご紹介します。
出自を知る権利に端を発したドナー不足により、慶応義塾大学病院は、昨年7月に新規患者の受け入れを中止しました。受け入れ中止直前の2018年は新規患者の61夫婦のうち、22夫婦が性別違和(GID)夫婦であり、(36%)レズビアンカップルや外国人夫婦からの問い合わせが増加している現状と、第三者の関わる生殖医療に関する社会的合意形成とルール作りが喫緊の課題であると語りました。
非配偶者人工授精は日本産科婦人科学会に登録12施設のみが実施を許されており、年間2000件近くを実施してきた慶応義塾大学病院には、過去に子どもを授かった方々が提供者の個人情報の開示を求める目的で来院するという。その対応にもエネルギーが注がれているようです。

 

また、特別養子縁組として子どもを迎えた女医さんの体験談がとても印象に残りました。
男性不妊により、体外受精のみならず、非配偶者人工授精(AID)を約20回ほど実施。10年弱ほど治療に費やされたそうです。(※人工授精の回数と治療の時期はスライド内容をメモできなかったので確実ではありません。記憶の限りの数字です)

 

身内の反対があり、苦しい時期もあったと語られました。

 

夫以外の精液で治療する心情、どんなお気持ちでこの時間を乗り越えてこられたのか?
そう考えると胸が痛くて、涙がでました。

 

困難と向き合う日々は、人生の糧になるかもしれません。
しかし、貴重な人生の時間、治療の選択によって1秒でも減らすことができるのならば、海外で精子提供による体外受精ができるのなら、私はその選択肢も有かと考えます。

 

日本と米国の治療の相違

日本では提供精子・提供卵子の体外受精、代理出産が許容されておらず、PGT-Aも現在は登録施設のみの実施であり、できることが限られてしまっている現状です。また、PGT-Aは検査によって受精卵の男女の判定ができ米国ではできますが、日本では今後も産み分けは許容されないようです。

 

日本の治療に用いる薬剤は治験後、安全性・有効性が確保され、厚労省に認可申請をして、厚生労働大臣より製造承認が与えられるまでに約数年かかると言われています。
米国の治療で使用できる薬剤が日本では採用できておらず、有効とわかっている薬剤がありながらも、最新の治療を提供できていない可能性があります。

 

今回の学会を終えて

2日間とても充実していました。
今年度から米国治療に関わるようになり、初めての学会参加はとにかく必死でした。
今後も日本と米国の治療について、しっかり勉強して、正確な情報をお伝えできるように努めていきたいです。

 

米国で治療を受けるという選択肢

米国は体外受精の成績が世界No.1と言われています。
ミラクルベビーでは、渡航での体外受精・卵子提供・精子提供・代理出産のプロセスを安心して行えるよう、日本語でご説明、サポートします。
お悩みの方、ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡下さい。




【今月末!東京での個別相談会】

米国での体外受精・卵子提供・精子提供・代理出産を検討されている方、どうぞご参加下さい。
2019年 11月30日(土)、12月1日(日)

お一組さま、1時間~1時間半枠で予約制となっています。

現在の治療で行き詰っている方、年齢的に時間がないと焦っている方、この先の進め方について悩んでいる方も成功率が高いアメリカの体外受精を考えてみませんか?

今回は、日本の看護師と現地スタッフ2名で対応させていただきます。

ご予約、ご質問、ご相談内容はお問い合わせフォームからご連絡下さい。
また、今回相談会に参加できないという方でも、随時日本の看護師がSkypeなどで相談に乗っておりますので、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡下さい。

 




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