みなさん、こんにちは。アメリカで13年以上、生殖医療全般のコーディネートをしているミラクルベビー石原です。
独身女性の卵子凍結が話題になってしばらくたちますね。一時期ほどは騒がなくなったような気がしますが、現在も独身女性の卵子凍結は多く行われているのでしょうか。健康な女性の卵子凍結に関しては、実際の所、専門家の間でも意見が分かれているということですが、今日は「お薦めしない」という側のお話をご紹介しようと思います。今回は、
「将来妊娠出来る確率は低い」
「専門医が積極的でない理由」
ということを2人の医療専門家が説明していて興味深かったので、まとめてみました!
今回の記事は、以下から引用させて頂いています。
不妊治療専門の黒田インターナショナル メディカル リプロダクション(東京都中央区)院長の黒田優佳子先生が卵子の凍結保存の難しさをお話しています。
https://dual.nikkei.com/article/057/97/?P=2
東邦大学医学部産科婦人科学講座教授である片桐由起子さんが、卵子の凍結保存の方法や卵子凍結に伴うデメリット・リスクについて説明されています。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO06929590W6A900C1000000/
【凍結卵子で妊娠出来る確率が低い理由】
1.融解時のリスク
これは最も大きな問題だと言われています。卵子の外側は顆粒膜細胞という膜で覆われていますが、凍結した卵子を融解する際にこの顆粒膜細胞が壊れてしまうことです。以下は赤坂レディースクリニックによるデータで、凍結卵子の採卵時の年齢とその後の融解卵子での妊娠率です。
凍結卵子の採卵時の年齢とその後の融解卵子での妊娠率
30歳以下で採卵 約35%
31~34歳で採卵 約30%
35~37歳で採卵 約25%
38~39歳で採卵 約20%
赤坂レディースクリニックホームページより抜粋
卵子凍結の場合の妊娠率は年齢にもよりますが、受精卵にしてから凍結した場合よりも下がります。
2.多くの卵子が必要で採卵するのに年月がかかる
妊娠の可能性を挙げるためには沢山の未受精卵が必要になります。ホルモン注射をしたとしても1回10個程度しか採卵できない、そして毎月は採卵できないので、多くの卵子を採取するには数年かかるということです。
3.夫になる人が決まっていない。夫になる人が男性不妊であることも。
凍結時には採卵した女性の夫になる男性が決まっていないという状態なわけですが、今や不妊原因の約半数が男性側にあるという点から、将来夫になる男性が男性不妊である確率も低くはないという点が考えられます。この場合には、妊娠する確率は更に低くなります。またその男性の意思の問題もあります。子供を持つことは2人の意見が同じであるということが大事です。
【卵子凍結 専門家が積極的でない理由】
1.自費診療で費用が高い
健康な女性の卵子凍結は自費診療だが、自治体によっては不妊治療女性制度対象となる場合もある。クリニック毎に排卵誘発から凍結までの費用は異なり、ホームページで費用を公開している病院もあります。ある機関では、採卵までとその後の1年間の保管費用で80万円、保管料は毎年かかるとありました。
2.採卵時の体への負担
ホルモン剤で卵巣を刺激、卵胞の成長を促し、膣から卵巣に針をさして卵子を多数採取するのですが排卵誘発剤の副作用に苦しむこともあります。妊娠率を保証しているとはいいがたい医療行為を健康な体へ行うことの負担やリスクを上げています。
3. 高齢出産のリスク
年齢が上がれば上がるほど妊娠率は下がっていきます。また、妊娠後に流産することも考慮すると、上記の妊娠率の数字がそのまま出産件数につながるというわけではありません。流産率も年齢とともに上がり、30代後半で約20%、40歳以上では40%と高い確率です。流産だけでなく、年齢が上がると妊娠高血圧症候群や分娩異常などの発症率も高まるのです。日本生殖医療学会のガイドラインによると、『卵子の採取時の年齢は40歳以上は推奨できない』『凍結卵子の使用時の年齢は、45歳以上は推奨できない』となっています。卵子の凍結を考えているのであれば、ガイドラインの上限まで待つことなく、少しでも年齢が若いうちに採卵し凍結することが大事なのです。
「卵子の時間だけを止めても問題は解決しないことをわかっておいて欲しい」と前出の片桐さん。今日の話のポイントとも言えましょう。
いかがでしたか。卵子凍結の本来の目的は「将来凍結卵子を使って子供を授かる」という選択肢のために今から計画をするということですが、たくさんの越えなければならない壁や、夫となる人のことが関係してくるなど未知の事もあり、果たして結果が出ている人はどれ位いるのか?と感じました。
実際にミラクルベビーにも「日本で卵子凍結してあります、でも夫がいないため何もできません。ただ出産のことを考えるとこれ以上待てません」という独身女性からのお問い合わせがあります。お話を聞いていると彼女達は気持ちを切り替える時期にきていて「授かる治療」「結果がでる治療」を希望し「精子提供をアメリカで受ける」ことに方向転換する人が多いのです。
受精卵を作って凍結しておく方が、卵子のみの凍結よりも成功率も上がるということから精子提供を受けて受精卵を作る方法の有効性は高いと思います。凍結卵子の保管を続行していくのか?精子提供に方向転換か?これは重要な決断だと思いますが、体内時計だけが刻々と過ぎて手遅れにならないうちに考えていきたいですね。
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ミラクルベビーでは、米国での体外受精・卵子提供・精子提供・代理出産のプロセスを安心して行えるよう、日本語でご説明、サポートします。
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