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アメリカ代理出産の流れー3【代理母のマッチングプロセスから代理母の薬開始まで】

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こんにちは。代理出産コーディネーターの石原です。今日は代理出産の流れシリーズ3回目です。今日は代理母のマッチングプロセスから代理母の薬開始までについてをまとめます。

 

過去の代理出産の流れシリーズはこちらからご覧になれます。

1回目:初回相談から着床前診断まで

2回目:着床前診断結果から代理母決定まで

 

 

代理出産ステップ10ー代理母のマッチングプロセス

 

依頼者さんが「代理母を決定した」際には以下の2点が行われます。

 

 

  1. 体外受精担当医による代理母の過去の妊娠出産の医療レコードのレビュー
  2. 依頼者さんと代理母とのビデオ通話

 

 

代理母の過去の医療レコードは代理出産エージェンシーが義務付けている検査の結果、代理母自身の妊娠出産、代理母としての妊娠出産を含みます。これらは依頼者さんの体外受精担当医によってレビューされます。代理母として医療的に気になる点がないかどうかをチェックしてもらい、もしあればその内容が依頼者さんにお話しされますが、その内容により「この代理母は選ばない」という決断をしても構いません。また、担当医が「この代理母で進めることに同意をする」のであれば、代理母と依頼者さんとの ”正式マッチング” 第一番目クリアとなります。

 

第2番目は代理母とのビデオ通話です。お互いの顔を見てお互いの意思の確認のために行います。この時点では代理母の心理面のカウンセリングはすでに専門家により済んでいます。ビデオ通話は代理出産エージェンシーによって進行され、いくつかエージェンシーから質問されるのでそれにお互いが答えていくような感じで進められます。なぜ代理出産という選択をしたの?どうして代理母になろうと思ったの? 毎日どんな生活をしているの? 趣味はどんなこと? どんな食べ物が好きですか? などなどエージェンシーや代理母からの質問に答えたり、依頼者さんからも気軽に質問をしていただいて構いません。代理母からは、一人子または双子どちらが欲しいの?とよく聞かれます。代理母にとっても、依頼者さんにとっても、この代理出産という試みをお互いに信頼し合ってうまく進めていけることを望んでいると思います。その第一歩がこのビデオ通話となります。ビデオ通話では私石原が通訳しますのでどうぞご安心ください。

 

 

ビデオ通話終了後、代理出産エージェンシーは、代理母からと依頼者さんからと別々に「この相手で進めることの意思」を確認し、”最終正式マッチング” となります。

 

 

代理出産ステップ11-代理出産エージェンシーとの契約

 

代理出産エージェンシーと依頼者さんの間の契約書(サービスに関する契約書)にサインをします。契約にあたり指定された金額を送金していただきます。代理出産費用はエスクローというファンド管理会社に送金し、そこで管理されます。また費用は一度に払わず、段階が進むにつれて数回に分け支払っていくことになります。

 

 

代理出産ステップ12-代理母医療検査

代理母は依頼者さんの担当医のところで、医療検査を受けます。アメリカ食品医薬品局という政府機関(FDA-Food and Drug Administration) で義務付けられている代理母が受けなければならない医療検査項目に基づいて行われます。

 

 

代理出産ステップ13-代理出産契約

代理母の医療検査結果に問題がないとわかれば、次は代理出産契約の手続きに入ります。これは依頼者さんと代理母との間の契約です。依頼者さんの弁護士から契約内容に必要な情報を依頼者さんから聞くための質問シート、それと弁護士依頼同意書が届きます。質問シートを埋めて、弁護士依頼同意書にサインをし、弁護士費用を支払うと、代理出産契約書のドラフト版が届きます。これらはすべてメールで行うことができます。代理出産契約書ドラフト版には日本語訳もつけてお渡ししますので、お読みになってもし質問があればリストをしてください。

 

お忙しい中、大量の契約書を読むことは大変な作業かと思います。ですが、これはとても重要なステップです。妊娠中、胎児に異常があるとわかったらどうするのか? 妊娠が継続しなかったらどうなるのか? など細かな取り決めはよく理解しておくことが必要です。契約書ドラフト版に記されているのは、一般的な双方にとって妥当である内容です。ですが、もし内容を変更したいということであれば弁護士に相談することが必要です。

 

以前、契約書ドラフト版を読むのに長く時間がかかってしまった依頼者さんがいらっしゃいました。あまりに長く時間を要したので代理母には「契約を結ぶ意思があるのか?」と不思議に思われ、この依頼者さんとは契約に進みたくない、つまりキャンセルしたいと言われたことがありました。よくよく代理出産エージェンシーに聞いてみると、この代理母は、以前に違う依頼者さんに長い時間をかけられた後にキャンセルされたという苦い経験があったということが分かりました。お互いに不安になることはなるべく避けるようにしたいものですね。契約書は長いのですが、依頼者さんにはなるべく早く時間を作って読んでいただくようお願いしています。

 

代理出産契約ドラフト版の内容に質問が全くなく「ドラフト版の内容に同意をする」ということであれば、代理母側の弁護士にそのドラフト版が送られます。

 

弁護士から電話で内容の説明を受けたいということであれば、電話会議を設定しますし、ご質問はメールですることも可能です。内容を追記・変更した場合はそれを反映させたものがドラフト版となり、代理母側の弁護士に送られます。

 

代理母は彼女の弁護士からこのドラフト版を受け取り、内容を弁護士と一緒にレビューしていきます。代理母側から変更や追記の希望があれば彼女の弁護士を通じて、依頼者さんの弁護士に内容が送られます。そして依頼者さんに伝えられます。謝礼金を変えてほしいなどというリクエストは無いですが、変更希望点が妥当な内容であるかどうかなどの相談を弁護士と行い、最終版を作成していきます。

 

代理出産契約書の最終版が出来上がりましたら、それぞれが公証役場で署名をします。依頼者さんの弁護士に署名済みの契約書が届きましたらめでたく契約締結となります。弁護士は体外受精担当医に「契約締結」の旨を知らせます。

 

弁護士とのやりとりは私石原が間にたち、全て日本語で説明をしていきます。100%内容を理解をした上で締結ができるようにします。

 

代理出産ステップ14-代理母の薬開始

体外受精担当医は代理母への受精卵移植に向けて、サイクルのカレンダーを作成します。この代理出産の流れシリーズ第1回目でお話しましたが、この時点で「移植可能な凍結受精卵」がすでにあることが理想的です。ここからフレッシュ移植を開始するとよい受精卵ができるまで、場合によっては代理母に待ち時間が発生することも考えられます。

 

現状としてほとんどの依頼者さんが、ドナー卵子を使うか自己卵を使うかに限らず、着床前診断を受けて受精卵の染色体異常をチェックして凍結受精卵を作っています。

 

凍結受精卵がある場合、カレンダーをいただいてからだいたい1ヶ月ほどで移植となります。カレンダーにはいつから薬を開始、検査日や移植の目途などが書かれていますので、情報は依頼者さんにもお伝えします。代理母の薬がドクターより薬局に注文され、代理母の元に配達されます。

 

いくつの受精卵を代理母に移植したいか、また性別がわかっている場合はどちらの性別を移植したいかを決めておいてください。代理母によっては移植する受精卵数は2個までと条件をつける人もいます。

 

体外受精担当医のところから遠方に住む代理母は、代理母自宅近くのクリニックである程度のところまでモニターしてもらいます。モニタリングクリニックでは血液検査やウルトラサウンドをしてもらい、子宮内膜が順調に厚くなっていくかを見ていきます。移植間際になりましたら体外受精担当医のところに来てホテル滞在をして移植日を迎えます。移植後は重い荷物を持ってはいけないのと、付き添いの人なしでホテルに帰ることができないため、代理母は付添い人を連れてきます。


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