精子提供のコーディネートをアメリカで行っているミラクルベビー石原です。
またまた日本の精子提供のニュースですが、日本で精子ドナーが不足しており、精子提供が1年間で4割も減ってしまったそうです。(朝日新聞2019年4月2日版)
精子ドナーを使った人工授精の実施数は
2016年 1952件 → 2017年 1634件 → 2018年 1001件。
精子提供実施数の減少の理由は、精子ドナー不足からで新規の患者さんを受け入れなくなったこと。
精子ドナーの確保が何故難しくなったのか? それは、
1.生まれた子が精子ドナーの情報開示を求めた場合、「出自を知る権利」を理由に裁判所から開示を命じられれば、「遺伝上の父」の情報公表の可能性がある。
2.日本には精子提供で生まれた子の父親が、育てた男性か精子ドナーのどちらなのかを明確に決めた法律がない。そのため、親子関係をめぐる法的トラブルが起こりうる。
精子ドナーに親子関係、扶養義務のトラブルの可能性
精子ドナーに親子関係、扶養義務のトラブルの可能性
明確な法律がなく、親子関係、扶養義務についてのトラブルの可能性があるとなんて聞いたら、誰だってドナーになんてなりたくない。明らかに精子ドナーにそういう義務があるなんておかしな話でそもそもそういうか形を誰も望んでいないのに、法整備にどれだけ時間がかかるんでしょうか。
そのうえ、こんなおかしい法律さえすぐに変更できない日本がですよ、海外で一部保障されている「出自を知る権利」については積極的に取り入れようとしている。なんかアンバランスな気がします。
精子提供 「出自を知る権利」は日本では定着するのか
「出自を知る権利」を定着化していくには、長期にわたる情報管理が必要で大規模な体制作りが必須だと思います。親となる人のカウンセリングも長期に渡り必要になるでしょうし。でも今の日本の生殖医療業界は多くの課題が山積みですし…システムが作られるのは、100年先か?なんて思ってしまいます。
精子提供を受け子供を授かりたいと願う人たちには、子供の「出自を知る権利」を守ってくださいと強制し、その後も一生その人たちを定期的に訪ねていくのでしょうか。義務化しても告知できない人はいると思います。精子提供を受けた時は、告知しようと思っていても、親になって複雑な思いが芽生えてくることもあるのではないでしょうか。
精子ドナーにもこの先何十年と連絡を取り続けていくのでしょうか。精子ドナーの提供後や結婚後の人生やプライバシーは尊重されないのでしょうか。
ルール作りは簡単ではないと感じています。
日本の精子提供は匿名でも、精子ドナーの情報提供があるべき
せめて日本の精子提供も、アメリカの精子バンクのようにドナーの幼少時代の写真が見れたり、もっと精子ドナーについての情報が入手できれば、将来子供に「こういう人がお母さんとお父さんを助けてくれたんだよ」という話ができるのになあと思う。ちなみにアメリカでは精子ドナーのどんな情報が得られるのか?は、ブログ「精子提供 (AID) と精子バンク 日本とアメリカの違い」にも書いたのでご覧下さいね。
「出自を知る権利を!」とそちらに情熱を注ぐ前に、血液型のみで顔写真やその他の情報一切なしの精子提供やめたらどうでしょうか。子供のためを思うなら、ある程度の精子ドナーの情報提供をする方が先ではないかなと思います。
1日も早く1人でも多くの方が精子提供を受けられるように日本の制度の整備を願うばかりです。患者の新規受け入れを長期に渡り待つことが不安な方(不安でない人なんていませんよね・・・)、精子ドナーの情報がもっと見れたらいいなと思っている方、アメリカでの精子提供も選択肢に入れませんか。
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