知らない人が多い グレードがよい受精卵と染色体異常の関係 

2018年06月25日 | 不妊 |  コメント (0)

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#染色体異常 #受精卵のグレード #不妊

こんにちは。ミラクルベビー石原です。今日はグレードがよい受精卵を戻して何故妊娠できないのか、意外と知られていない染色体異常との関係をお話します。

 

ドクターに

「グレードがよい受精卵だ」

「あなたの体にどこも悪い所は見つからない」

と言われたことはありませんか?

 

「授からないとおかしいですよ」「授かって当然の体ですよ」 というようにも

聞こえます。

「グレードが良い」=「良い質」ということなのでしょうか?

グレードが良い受精卵が何故何年たっても妊娠に至らないのでしょうか?

何故「体に悪い所がない」のに妊娠しないのでしょうか?

 

グレードとは?

 

簡単に言うと、受精卵の成長過程を見て、割球が均等か、フラグメントが多いか少ないか、細胞の様子などの見かけによる成績ですね。

 

グレードがよい受精卵だとドクターが言うのなら、状態が良いと判断し妊娠を期待してしまいせんか。でも実はこの裏には、見かけだけで中身はわからないという事実が隠されています。日本では、グレードが良い=質が良い=妊娠率が高い とはっきりと言っているクリニックもあるくらいで、これだけでは患者さんたちが大変な誤解をしてしまいます。グレードが良いというのはあくまでも見かけだけの評価なのです。

 

 

染色体は妊娠のキーとなる

 

見かけだけ良くても、中身が重要なのです。あなたのドクターは受精卵の中身の話をしてくれましたか? 見かけだけでは判断できない重要な中身とは、受精卵が染色体異常を持っているかどうかということ。現在の日本では、染色体異常を移植前に調べることは、特定のケースしか認められていません。なので通常は染色体異常を起こしている受精卵であっても、それは見えないため患者さんにお知らせすることはできません。

 

ここ、とても大事です! 「グレードが良い」という意味は「受精卵が染色体異常を起こしていない」という意味ではありません。

 

なんだか、染色体異常って難しい言葉ですよね。きいたことはあると思いますが、なんだか漠然としていませんか? 卵子の老化もそうですが、染色体異常を起こしているといわれても、数値やデータでこれ位というように示してもらえないと良く分からないですよね。

 

 

染色体異常とは?

 

受精卵にはさまざまな情報が組み込まれています。そのなかの一つに染色体があります。染色体は、合計で46本ありますが、すべてが2本で一対の組み合わせとなっていて、23対からなっています。この中の1対は性染色体です。これらの組み合わせのいずれかが2本でなかった場合、染色体異常とよばれ様々な病気や障害が発生するのです。

受精卵が染色体異常をもっていると
  • 着床しない
  • 流産する
  • 胎児に発育しても死産する
  • 出生できても障害を持つ
という結果になります。だから染色体は妊娠のキーとなっているのです。

 

胚盤胞での染色体の異常率は

38歳では50%、44歳ではなんと90%

にもなります。

 

染色体異常があるかどうかはグレードとは関係がなく、グレードが悪くても染色体が正常であれば妊娠できる確率が高くなります。またグレードが良くても染色体が異常な場合もあります。日本では、この見極めができていなくて受精卵を選んで移植しているのです。グレードが悪い受精卵を移植の順番として後回しにするのはとても効率の悪いことだと思いませんか。

 

日本の患者さんが、「ドクターは移植している受精卵はグレードがいいといつも言っています。」とよくおっしゃるのですが、とても気になるのはやはりかなりの希望を持っておられるということです。染色体異常の話をドクターから聞いているのか、または聞いたのにピンと来ないので忘れてしまったのか「グレードがいい」だけを信じている感じに見受けられます。

 

着床しない、流産する、出生しても障害を持つという染色体異常を持つ受精卵でも、見かけがよいことがあるため、それがわからずに移植をすれば、着床しない、流産するなど何年もの年月がかかるのは当然ですね。現在の日本の医療では妊娠後にしか染色体異常の検査(出生前診断)が出来ませんので、残念ながら無駄な行為を繰り返すことが避けられません。

 

言うまでもありませんが、通院先を変えたからといって、新しいドクターはあなたの染色体異常を正常に変えることはできません。卵子の老化も止めることはできません。

 

卵子の老化がまだ漠然としていて実感がわかない方のために・・・

・卵子は女性が生まれた時に既に卵巣内に持っているもので

・初潮以降は排卵、受精後とに減っていく一方で、新に増産されない

・例えば35歳の時に排卵された卵子は35年前から女性の体にあったものなので

機能的に低下していく

・見かけの若さや元気さとは関係がない。実年齢と一致し老化していく。

 

先に述べた「どこも体に悪い所は見つからない」というのも、患者さんが良くドクターから言われている言葉です。加齢による卵子の老化が考えられる患者さんがいても、卵子の老化は生理現象であって病気ではないので、このようにお話されているのかもしれませんが、やはり誤解を生みやすいのではないかと思います。

 

今お話したようなことで、日本の不妊治療は長い長い年月が掛かります。でも日本人の国民性でしょうかね、皆さんとにかく辛抱強いというのも手伝ってこんなに長くなる野だと思います。でも結果まで早くたどり着ける方法があれば試してみたくないですか?

 

 

アメリカの着床前診断

 

アメリカでは着床前診断といって全染色体の異常を移植前に検査することが出来ます。正常な受精卵しか移植しないため、成功率がグンと上がりますし、何と言っても無駄な時間を省けます。

 

そして、着床前診断を受けた後はきちんとレポートが届きますので、結果は白か黒、一目瞭然なのです。日本で言葉だけで「異常の可能性がある」といわれていたことが、アメリカではしっかりと目で見ることができます。染色体異常がデータとして見ることができたら、どんなにすっきりするでしょうか。

 

着床前診断のレポートはこんな感じです。


 

 

こうやって異常かどうかを目で見て、現実を知るのはとても重要なことだと思います。この着床前診断のサンプルレポートでは、27歳のエッグドナーを使った受精卵6個を検査に回し、うち4個が正常で2個が異常だったと記載があります。異常のうち1個は21番トリソミーの異常(ダウン症)、あとの1個は7番、11番、14番に異常がありました。

 

アメリカでもこの着床前診断はオプションの検査ですが、35歳であれば殆どの方が受けることを薦められています。正常卵のみを移植することによって、出産までの道のりが断然日本の方より短いのです。

 

ただ、着床前診断をすることで正常卵が増えるということではありません。受精卵全てが着床前診断を受けられるわけでもありませんし、正常卵でかならず妊娠に至るという保証でもありません。

 

日本の出生前診断

 

さきほどもお話しましたが、日本でも染色体異常は検査できますが、妊娠後に出生前診断をすることしか可能ではありません。また、アメリカが全染色体を検査できるのに比べ、日本の現在の出生前診断では13,18,21トリソミーしか検査をしません。なので、それ以外の染色体異常があったとしても見つけられません。また35歳以上しか受けることができません。

 

以下は13,18,21トリソミーの染色体異常の説明ですが、他のトリソミーが着床しない、流産するという結果になるのに対し、13、18、21トリソミーの異常を持った胎児は出生することがあります。

 
  • 13トリソミー(パトゥ症候群):母体年齢が高くなるにつれてリスクが高まる。外見上の特徴として口唇裂、口蓋裂、頭皮部分欠損、多指があげられる。脳奇形、痙攣、心血管系奇形、精神の遅れがみられる。出生1ヶ月以内に80%が死亡する。ウィキペディアは以下から。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%88%E3%82%A6%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群):母体年齢が高くなるにつれてリスクが高まる。女児に多い(男児は流産することが多い)。低体重、小さい顎や耳介低位(耳の位置が通常より低い)、口唇裂、口蓋裂、握ったままの手や先天性心疾患など。出生後2カ月までに半数が亡くなる。ウィキペディアは以下から。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%BA%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
  • 21トリソミー(ダウン症):知的障害、先天性心疾患、低身長、肥満、筋力の弱さ、耳の感染症、眼科的問題(先天性白内障、眼振、斜視、屈折異常)、難聴。80%が流産や死産となるが20%は出生する。ウィキペディアは以下から。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
 

 

 

出生前診断で異常があると判断されても産むという人は殆どいないそうで、もともと異常があっても産むと決断している人は受けない人が多いそうですね。異常だと分かり個々の事情で妊娠継続をあきらめる場合、ここまでやっときて中絶という決断は本当に苦しい悲しいものだと思います。

 

染色体異常のない健常児の出産への近道はこれしかない

 

誰もが健康な子どもを1日も早く授かりたいと願っています。不妊治療にかけるお金にも限度があります。だったら合理的な治療を望みたいですよね。

 

不妊の原因は染色体だけではありませんが、加齢による卵子の老化と染色体異常は切っても切れない関係です。

 

卵子の老化はどんどん進んでいきます。なので妊娠できる条件が悪くなっていく一方です。あなたの精神的負担、経済的負担がこの先何年続くかは誰にも分かりません。でもアメリカに来て、着床前診断を受けて染色体異常の現実を知れたら、日本で現状のままでいるよりも少なくとも大きな1歩を踏み出せます。

 

着床前診断の気になるお値段は、受精卵5個までで$3900、6個目から1個につき$300です。(これはミラクルベビーが紹介するクリニックでの値段ですが、もちろんクリニックによって若干違ってきます)為替レートにより変わりますが、1ドル=110円であれば$3900は42万9千円になります。

 

あなただったら着床前診断・出生前診断どちらを選択しますか?

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