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ともこの卵子提供物語その18-心の変化

*卵子提供経験者、ともこのブログコーナーです。*

自分で注射を打ちはじめて、
一週間、
二週間、
毎日が早く感じられた。

小さな注射器に、決められた分量のホルモン療法薬を、
正確にいれなければならない。
最初は、脂肪の多いおなか。
なれてきたら、太ももにもチクリと打てるようになった。

物事は、なんでも、慣れなのかもしれない。
はじめは、注射を持つ手が震えていたのに、
日に日に慣れてきて、
手際よく打てるようになった。
たまに注射針がスーッと入っていかないときもあり
ちょっとあせってしまう・・・。

上京
就職
留学
米国生活
英語での電話応対
自動車の運転
妊娠
出産

これらは、わたしにとって、
一度は未知の世界で、
たじろい、もがいた時期もあった。

緊張と失敗の連続だったな。
その反対に、まわりの励ましと支えのなか、
ゆっくりと心が新しい状況を受け入れていった感じがする。

未知の世界で挑戦するのが怖かったことが
あるとき気がつくと生活の一部となっている。
あんなに、大変に思えたことが、
あたりまえに感じる自分。

注射を持つ手と、
自分の過去のいろんなことが
心の中で入り乱れた。

(つづく)