人工授精の基礎知識と流れ

2018年07月13日 | 精子提供 AID 精子バンク |  コメント (0)

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こんにちは。ミラクルベビー石原です。ここカリフォルニアは湿気の多い猛暑が続いていましたが、今日は少し落ち着いています。今日は人工授精がどのようなものか、流れとともにご説明していきたいと思います。

 

人工授精とは

 

人工授精とは女性の子宮内に人工的に精子を注入して授精させる生殖医療技術のことをいいます。一口に人工授精といっても、精子の提供者によって大きく2種類に分かれます。

 

・配偶者が提供した精子を利用するものを

「配偶者間人工授精(AIH=artificial insemination with husband’s semen)」

・精子ドナーから提供された精子を利用するものを

「非配偶者間人工授精(AID=artificial insemination with donor’s semen)」

 

と呼びます。

 

 

人工授精とは採取した精子を子宮内の奥深くに注入する方法です。注入された精子は、子宮や卵管を通過していく間に排卵後の卵子と自然に出会うため、受精や着床は自然妊娠と一緒です。採取された精子は、そのままの状態で子宮に注入されるのではなく、雑菌やごみを取り除くために洗浄され、さらに精液中の運動良好な精子だけを集めて注入します。


Medical Noteより抜粋

 

人工授精の一般的な流れ

 

1.排卵誘発剤の使用の検討(生理1日目から5日目)

排卵方法を完全に自然排卵とするのか、排卵誘発剤を使用するのかを検討します。

2.超音波検査(生理10日目〜12日目)

排卵日を予測するため、超音波で卵巣内の卵胞の大きさの確認や子宮内膜の厚さを測定します。血液検査でエストロゲン(卵胞ホルモン)の測定をする場合もあります。その後、人工授精の実施日時などについて医師と相談します。

3.人工授精当日(生理12日目〜14日目)

 
女性側の人工授精までの流れ

人工授精を行います。人工授精の際には、柔らかい素材の器具を使用するため、痛みはほとんどありません。処置にかかる時間は5分ほどです。

(卵胞の状態を確認するため、人工授精前に再度超音波検査を行う場合があります。)
 
男性側の人工授精までの流れ(AIHの場合)

精液を自宅またはクリニック内で採精し、その後培養士が精液を洗浄・濃縮します。
精子の洗浄・濃縮では、顕微鏡で総精子数、運動精子数を測定します。また、良好な運動精子を多く収集するために専用の精子調整液を使用し、遠心分離機にかけ洗浄濃縮を行います。遠心分離することにより、精子の動きを妨げる白血球や未熟な精子や奇形精子をできるだけ取り除くため、タイミング法より高い妊娠率が見込めます。

AIDの場合は、事前に精子バンクから精子を移送してきて、ラボで人工授精の準備をして当日に臨みます。

 

4.人工授精後の黄体管理(生理14日目以降)

人工授精後、排卵と黄体機能の様子を採血で評価。黄体機能が低下している場合は、着床率を高めるために黄体補充療法を行います。

 

5.妊娠判定

次回の生理の有無によって、妊娠したかどうかを判定します。

 

 

人工授精が適しているのはどんな人?成功率は?

 

人工授精は、妊娠までの過程が自然妊娠とほぼ変わりないため、女性にとっては肉体的・精神的に負担が少ないです。しかしながら、人工授精1回あたりの妊娠成功率が約10%と低いため、複数回実施する場合が多く、4から6回の人工授精を推奨している医師が多いです。

 

年齢別AIH施行回数と累積妊娠率(%)

 


*縦軸は%、横軸は治療回数  (日本産婦人科医会より抜粋)

 

人工授精は、精液量が少ない、精子が少ない、精子の運動性がよくない、といった精液に問題がある場合、性交障害や排卵期に元気な精子の上昇が子宮頚管粘液に認められない場合は、医師から人工授精の勧めがあります。また、精子に問題がなく、タイミング療法を6周期以上行っても妊娠が成立せず、体外受精を行うことには抵抗が強い場合や、フーナーテストの結果から人工授精が必要と診断された場合も人工授精は有効です。

一方で、両側の卵管に異常があったり、精子にアレルギーがある抗精子抗体強陽性では、人工授精を行っても妊娠できないため、事前にスクリーニング検査を行い他に不妊原因がないかどうか確認しておく必要があります。また、女性の年齢が高い場合(精子には異常がない場合)も人工授精は効果が得られません。

 

料金的に負担が少ないといっても何度も受けるのは、結局負担になってきますよね。時間、年齢、成功率を考え、人工授精を受けることが適切なのかをドクターに相談するのがよいでしょう。

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