代理母に生命保険をかけるために
弁護士が紹介してくれたエージェントの
おじさんへ電話をした。
慣れているようで話をしたらすぐに申込書を送ってくれた。
代理母は血液検査をしなければならないという。
そのためにわざわざ代理母はここへ来なければ
ならないというのだ。
「これから行ったり来たり何回するんだろう・・・」
すべて終わるまでの道のりは、果てしないのでは
ないかと思った。
うちに血液検査の人が来てくれることになった。
代理母とのスケジュールと検査の人のスケジュールを
あわせる。
私の仕事なんて、にのつぎ。
忙しいとか言ってられない。
契約書のほうは
私達の弁護士が契約内容を私達に説明したあと
ドラフトを作りもう一度私達がレビューをしOKだったので
それを代理母の弁護士に回すことになった。
そして代理母がその弁護士とレビューをする日程が
ちょうどその血液検査をする頃と重なっていた。
代理母がこちらにきているときにやるのはいいが
代理母の主人も契約書レビューに加わらないといけない
ので、代理母―彼女の主人―弁護士の三者会議電話
になる。
なにせ契約書を終わらせなければ、前に進めないのだから
1日も早くというのが私の気持ちである。
私の卵子が気にかかっているからだ。
「まずは死ぬことはないとおもうけど、死んだら
お願いね~。生命保険はしっかりかけておいてよね。
私の子供たちがかわいそうだからね」
なんて、代理母である妹が言う。
「お金もらったってお母さん死んじゃったら
私達をうらむだろうね。」
最悪の状態なんて考えたらきりがない。
そんな時、先日占いに言った時のことを
思い出した。
うちの妹は占い師によると
「100人に一人しかいない
ラッキーな星の下に生まれた人」
らしい。
「この人はね、苦境や逆境に
たたされても、それをいとも簡単に
さっとくぐり抜けることができる人なのよ。
きっとこのこともにラッキーな方向に動くわよ」
といわれたのだ。
そう、妹という人はなんでもひょひょいのひょい、
という感覚でやってしまう人なのだ。
人の子を出産するなんていうことも
いとも簡単に言えるのではないのだろうか。
ま、こんな占い師の言葉にちょっと励まされて
すべてがうまくいくのだと自分に言い聞かせた。
―続く―