初めての移植。
まちにまった日。
代理母の痛そうなお尻の注射をみてからは、
私たちだけの問題ではないというなんともいえない重みが
またのしかかってきた。
移植部屋。
私も入れてくれた。
「うーん、いいライニングだねー」と
超音波で内膜をみた専門家。
たくさん飲んだ水が膀胱にたまってきて、体の小さい代理母が
「ドクターまだこないの~~~?ちょっともう限界だわ、膀胱が破裂するよ、わたし」
ウルトラサウンドの彼に話してみると
「じゃー、10秒尿を出してきていいよ、ワン、ツー、スリーと
数えて10秒だからね。で、ストップするんだよ」
「えー!!そんな・・・勢いで出てしまったらどうするんですか?」
「大丈夫大丈夫」
ってことでそろそろ・・・内またでトイレに向かう代理母。
数分後、にこやかに戻ってきた。
「あーだいぶ楽になったわ、結構10秒って長いもんね。」
ドクターがやっときた。
「今日までに3つの受精卵が状態がよく成長しています。
いくつ入れようか」を写真をみせてくれる。
「えっとー、2つで」
「OK」
双子以上を恐れる代理母は3個全部入れるということは
いやだという。
本人確認が数人によってされ、私たちの受精卵が
すーっと代理母の子宮の中に入っていった。
目にみえないくらい小さい命。
でもウルトラサウンドを通して、ぴかーっと白く光ってみえる。
ウルトラサウンドの担当の彼が私たちの2人の手をとって、握り合わせてくれた。
私もその瞬間を感じられるように・・・。