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アメリカ精子提供・精子バンク・代理出産・卵子提供

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ともこの卵子提供物語その13-依頼者夫婦との面談

Flower 1

*卵子提供経験者 ともこのブログコーナーです。

依頼者夫婦が、わたしに直接会って面接をしたいと、
卵子提供エージェントのSさんから頼まれ
実際に会うこととなった。

実際に、Sさんのオフィスに訪ねていき、
そこで、待っていてくれた男女は、
40代半ばの中年のご夫婦だった。

奥さんは、日系3世。ご主人は、ロシア系アメリカ人だという。
この面接は全て英語で行われた。

会って、そうそう、そのご夫婦から美しい花束をプレゼントされた。

エージェントのSさんを通して、
もう一度、自己紹介を終え、
お互いの顔を改めて見つめなおす。

(感じがよいカップルでよかった。)

今までの緊張感を吹き消すかのように、
心の中がふんわりと温かくなった。

すると突然、奥さんの目頭がうるおい涙が頬を伝った。

「今回の件、本当にどうもありがとう。」と奥さんが言う。

それから、過去の長年にわたる、
不妊治療の経験を、
言葉を選びながら話してくれた。

その中には、自分達の卵子、精子を使った、
体外受精や人工授精も何度も繰り返されている。
ありとあらゆる手段を試しても
成功にいたらなかった苦悩と葛藤。
彼女の感情はこういった想いがつもりつもっていたのだ。

ご主人は、その反面、比較的冷静に見えた。
職業は、病院管理の仕事らしい。
どちらかというと、理知的なタイプだが、
人柄は、穏やかそうだ。

わたしが、彼らの卵子提供者になることを、
心から感謝してくれていることが、
ひしひしと伝わってくる。

今までの私は、自分のことばかり考えていて、
不妊で悩んでいるカップルの視点から
物事を考える機会がなかった。

でも、ここで、
「人間・対・人間」という「接点」を
あらたに見つけることができた。

エージェンとのSさんは、
「彼らの気持ちに共感できることは、とても大切なことよ。」
と付け加えた。

(これって、言葉の壁を越えた世界だな…)とふと思う。

このご夫婦にとって、
卵子提供を使っての妊娠は、
不妊治療の最後の手段といっても過言ではない。

もし、これが駄目だったら、
自分達の子供はあきらめて、
養子をもらうか、夫婦二人の生活をするだろう、と言った。

西日が窓から差し込む。
この初夏は、
わたしにとって思いがけない出会いをつくってくれた。
(つづく)