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ともこの卵子提供物語その15-血液検査

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*卵子提供経験者、ともこのブログコーナーです。

卵子提供のドナーになるには、
医療検査がある。
まずは、血液検査。

注射針が苦手なわたしは、
おもわず視線を自分の腕からそらす。

「うわ~。たくさん。」

私の視線は、その一箇所に集中した。

血液の検査室からみえる通路の壁に
たくさんの「赤ちゃんの写真」が、
ぎっしりと、まるでコラージュのように貼られているのだ。

(可愛い…)

注射針の傷みも
飛び消すかのように散ってゆく。

きっと、この不妊治療院に通ってた
夫婦の方々が送ってきた写真なのだろう。

双子や三つ子の赤ちゃんの写真も
あちこちに見受けられるところが、
不妊治療の特徴のようにも思えた。

もう一つ面白いなとおもったのが、
「試験管ベビー」を描いた
大きなポスターがはってあった。

「試験管ベビー」という言葉が、
初めて私達の耳に入ってきたのは、
もうかれ30年前の話だが、
子供ながらに覚えているのは、
好奇心めずらしさからか、メディアを通して、
いろんな中傷や批判の対象になっていたということだ。

そんな「体外受精」もいまでは、
一般的に行われている「不妊治療」になった。

「卵子提供」という言葉さえしらなかった私だが、
この「卵子提供」も、いつか日本の社会にも
受け入れられる日が来るのだろうか。

そんなことが、頭をよぎっているうちに、次は尿検査。

それから、看護士がきて
「こちらの部屋へ入ってください。」と言った。
通されたのは、患者専用の個室部屋だった。
(つづく)