いよいよ体外受精かあ。
今までは何か別世界の言葉だったけれど
いまから自分がやろうとしているんだなあ・・。
私にとって「待ちに待った注射」なのだが
なんせ初めてのことなので緊張である。
家に届いていた薬のパッケージをどっさり
Dr.のところに持っていく。
アメリカでは全部自己注射なので
Dr.に習うのだ。
さっそくLupronを始めることになった。
小さい針を明日の朝からぷすっとおなかにさす。
そして代理母は生理が始まったらDr.のところへ
いくことになっている。
Lupronは小さな針なのでくすぐったいくらい
「楽勝!」であった。
問題はそのあとのRepronexとGonalだった。
薬が錠剤みたいなもので水と混ぜたりしなければ
ならず、Dr.のところで一応みてはいたものの
覚えるのに一苦労だった。
夜になって混ぜる時、指示を書いた紙をみたのだが
いまひとつわからない・・・。
これでいいんだっけ?
冷や汗。
ちょっと、しっかりしてよ。
自分に言い聞かす。
夜10時。
恥ずかしいけれどドクターに電話してしまった。
やっと理解しその注射を持って主人のところにいく。
彼が私のおしりに注射をする担当だ。
アルコールがついたワイプで指すところを
ふいて・・・・。
そしてぷすっとする。
「うっ・・痛い」
指した瞬間は痛かった。でもあまりおどろかしては
指すほうもびびってしまうので、
大丈夫なふりをしてあげた。
「うまいうまい!」
自分で指し方をほめていたっけ。
「血も出てないよ」
第1回目にしては上出来だ。
薬は毎日毎日のことなので
だんだんに慣れていった。
「卵ちゃんよ~大きくなあれ~」
二人で祈った。
そして、初めてのウルトラサウンド。
一瞬ドクターの表情がこわばった。
<続く>