ご主人が精子採取にと奥の部屋に入られた後
私はご夫婦からの手紙を開きました。
そこには、とても小さな字でびっしりと丁寧に書かれた
文字が並んでいました。
「りこさん、今までのあなたのやさしさとサポートに感謝しています。
全てがスムーズにかつ、時間通りに進めたことをうれしく思っています。
あなたのサポート(ドナーの方に薬を届けてくれたり、
ドクターのところに彼女と一緒についていってくれたり)
は私たちが期待していた以上でありました。
なぜ、どのドナーを選ぶかということより、どのエージェンシーを選ぶか
ということのほうが重要だといわれているのかが
今わかりました。
・・・・・私たちが親になるという希望を与えてくださり本当に
有難うございます。」
ひとつの生命が受精によって誕生するというこの日、このような心温かい
手紙を頂き、本当に胸があつくなりました。
病院の待合室でぐっと涙をこらえました。
カップルから卵子提供の依頼を受けてから数ヶ月、ドナーの方とドクターと
一緒に、みんなで大きなプロジェクトを成功させるために
頑張ってきました。
小さいけれど力強い命が、着床することをお祈りしています。