*卵子提供経験者、ともこのブログコーナーです。*
一番最初にわたしが卵子を提供したご夫婦から二度目の依頼の話が舞い込んだ。
「やります。」とエージェントのSさんに返事をしたものの、その後不安もあった。
一度目の無念な結果。
会社を遅刻して、朝早くクリニックにいくためのスケジュール調整。
治療中に打つホルモン剤による体の変化。
卵子提供のことを誰にも打ち明けられないという、心の中に秘め事をもつ苦しみ。
そのどれもがストレスとなり、色んな気持ちが交差してゆく。
自分の中に 「このカップルを助けたい」という気持ちと、
報酬をいただいて、「このカップルから助けてもらっている。」というお互いへの利益。
世間では、「卵子提供は倫理に反する」という否定的考えから、
「不妊治療への先がけ」という肯定的な受けとめ。
世間体、他人の目、見えない将来。
何が正しいのだろう?
だから、気持ちは揺れ動く。
唯一、わたしが面会したこの依頼者夫婦、J&Aさん。
このカップルとは、将来二度と会うことはないだろう。
だけど、二人の存在感はわたしの心に位置している。
3度目の卵子提供の治療はいろいろな思惑のなかから始まった。
(つづく)